「テコ」とは硬い棒の一点を支点とし、そこを中心として棒を回転できるようにした機構です。支点・力点・作用点の位置関係によって分類されます。これまでに紹介してきた機構(重力、リンク、動滑車)などを組み合わせることで、アイデアは無限大です。ここでは3種類の動画を紹介します。
用途例
- ・折り返しシューター(ハンド)ユニット(GFアルミパイプ構造材シリーズカタログNo.6 P280~281)
- ・段ばらしユニット(GFアルミパイプ構造材シリーズカタログNo.6 P297)
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動画①エレベーターの動き
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動画②従来版と改良版の比較
Sing33号の特集では、現場の問題にアプローチするGFユニット事例として、「重力を活用した機構」の動画でも登場している「エレベーター」を取り上げました。「エレベーター」では、ウエイトとワークの重さのバランスを取ることによって、手や力を使わず上段のワークを下段に流すことができます。
動画①では、この「エレベーター」の動きを各部位の様子と合わせてご紹介しました。動画②では上段のスペースを最大限活用するため、切り出し機構に改良を加えた新しいエレベーターを、従来タイプと比較しながら説明しています。改良版では従来版と同サイズながら、1度に投入できるコンテナの量が1つ分増えるため、搬送回数の削減などに役立ちます。
Sing33号ではエレベーターを組み立てる際のポイントをご紹介していますので、合わせてご覧ください。
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ワークの自重や、重りの力を利用する機構は、からくりのさまざまな個所で使われています。ワークや機構部の重さをうまく利用することで、これまで人が行っていた作業を無人化することができ、電力などの動力を減らし、設備のコストを抑えることも可能です。
用途例
- ・折り返しシューター(ハンド)ユニット(GFアルミパイプ構造材シリーズカタログNo.6 P280~281)
- ・エレベーター(ウエイト)ユニット(GFアルミパイプ構造材シリーズカタログNo.6 P282~283)
- ・ツールバランサーユニット(GFアルミパイプ構造材シリーズカタログNo.6 P262~263)
「リンク機構」は変形しないリンク(節)とジョイント(関節)と呼ばれる可動部によって構成されます。回転運動を直線の動きに変えるなど、さまざまな使い方があります。
動画で紹介している払い出し台車は、テコと組み合わせたリンクです。ペダルを踏むと、つながった黒い丸を軸に、白い丸が持ち上げられます。リンクの長さは変わらないため、上部の太いリンクも左側の黒い丸を軸に回転し、テーブルが傾斜してワークを排出します。少しの踏み込みで倍以上の動きに拡大させています。
「動滑車」とは文字のとおり、軸が固定されていない“動く滑車”です。可動側を引っ張ると、動滑車につけたおもりを半分の力で持ち上げることができます(動かす距離は、移動させたい長さの2倍となります)。逆に、動滑車部分を引いたときは、可動側につけたおもりを、引っ張った距離の2倍の高さまで持ち上げることができます(その際、必要な力は可動側についたおもりの重量に対し2倍となります)。動滑車をからくりで使用することで、重たいワークを小さな力で持ち上げたり、短い動作で大きな動きをつくりだすことが可能です。空中搬送の昇降部で活用すると、人が持ち上げられない高さへもワークを搬送できるなど、アイデア次第で改善の幅がさらに広がります。
用途例
- ・昇降テーブルユニット(GFアルミパイプ構造材シリーズカタログNo.6 P264~265)
- ・レベルリフターユニット(GFアルミパイプ構造材シリーズカタログNo.6 P290)